エアコン工事・修理の最後の仕上げ「真空引き」 真空ポンプの使い方・冷媒充填

  • 2020年5月25日
  • 工事
  • 0件

エアコンの工事・修理も「真空ポンプ」を運転するといよいよ終盤です!

今回は「真空引き」と「冷媒充填」を紹介します。

真空引き

エアコンの配管が全て繋がって漏れが無いか確認する「機密検査」が終わると、「真空ポンプ」で真空引きをします。

ルームエアコンなどの単純な配管では、室内機本体のフロンガスで配管内の「空気」を押し出す方法もありました。

しかし、現在では「フロン排出抑制法」で「違法」になっていて、どのメーカーの真空引き(エアーパージ)は「真空ポンプ」を使用するように!と明記されています。

真空引きをしないと?

エアコンは「フロンガス」の循環で仕事をします。

真空引きをしないと「冷媒回路」にフロンガスと空気が混ざった状態になります。

空気が混ざったフロンガスを「圧縮機」で加圧すると配管内の圧力が上がり過ぎてしまいます。

「高圧異常」のエラーで運転できません。圧縮機も壊れます。

最悪「配管が破裂」などの事故になります。

必ず「真空ポンプ」で冷媒回路を真空にしてあげなきゃいけません。

真空ポンプ

チェックジョイント(サービスポート)に圧力計を接続して、その圧力計に「真空ポンプ」を接続して真空引きをします。

1/4と5/16の接続口どちらでも接続可能なタイプと

変換アダプターが必要なタイプがあります。

「真空までの時間」は配管の長さはもちろん、「真空ポンプ」自体の能力に依存します。

写真の大きい方は           排気速度  210L/min        

写真の小さい方は           排気速度  40L/min     です。

大きい方がいいの?と思うかもしれませんが、大きい方が約14Kg 小さい方が約4Kgです。

作業内容で選択・使い分けしましょう。

真空の確認

真空の確認は「圧力計」と「」で確認できます。

「圧力計」の針が下がり切っても引き切っていなければ、バルブを閉めると少し針が戻ります。 

そして「真空ポンプ」の音も少し変わります。

圧力計のバルブを閉めた時に「音」の変化がなかったら「真空ポンプ」の能力MAXの真空です。

配管に水分がある場合や冷凍機の場合はそこから「真空乾燥」するために、真空引きを継続します。 

真空状態でチェックジョイントからホースを外してはいけません!

真空引きが終わってもチェックジョイントからすぐにホースを外してはいけません!

チェックジョイントには「ムシ」が入っていて、ムシを押さないと中のガスは出ません。

この「ムシ」には小さい「バネ」が入っていて、このバネと内部の「圧力」の力で閉鎖します。

外からの圧力が「バネ」と「内圧」に勝ると回路は開きます。

ホースに「ムシ押し」がなくても窒素やフロンガスを入れることができます。

ただの「逆止弁」なので、配管が「真空状態」でチェックジョイントからホースを外すと空気を吸い込んで真空引きが台無しになります。

なので必ず室外機のバルブを開けたり、フロンガスを充填して配管内部の圧力が大気圧以上になってからホースを外しましょう!

ルームエアコンの真空引き

ルームエアコンの真空引きはあっという間に終わります。

効率よく作業をするには、配管を繋いだらまず真空引きをして信号線を接続します。

信号線を繋いでいる間に真空引きが終わるので、バルブを開けて試運転をします。

試運転をしている間に、カバーを閉めたり片付けをします。

「真空引き」「試運転」の時間を上手に使いましょう!

ルームエアコンの真空引きが終わって、バルブを開けるときは最初に「液バルブ」を開きます。

チェックジョイントは「ガスバルブ側」にあるので、まず「液バルブ」を開くことで配管の閉鎖を確認できます。

圧力計が約0.2MPaで再び「液バルブ」を閉めて、圧力が下がらないのを確認します。

この確認の時間で「真空ポンプ」を片付けます。

圧力計が下がらなかったら、チェックジョイントからホースを外して「液バルブ」「ガスバルブ」共に全開にします。

正しく教育を受けた人は、「バルブは全開にしたら少し戻す」癖がついていると思いますが、エアコンの「バルブ」は全開時には「止まったところから戻さない」が正解です。

パッキンがガス漏れを防いでくれます。

業務用エアコンの真空引き

室内機が複数台ある「マルチエアコン」等の業務用エアコンは真空引きに時間がかかります。

真空引きの前には窒素で「機密試験」もします。

なので、基本的に「全ての配管の接続」が最優先になります。

時間のかかる「機密試験」「真空引き」をいかに早くスタートするかが鍵となります。

マルチエアコンでは「冷媒の追加封入」があるので、その後「バルブ」を全開にします。

スリム型で「冷媒の追加封入」が無い場合は、ルームエアコンと同じように「バルブ」を開け、プラス圧になったら「バルブ」を閉めてホースを外して、「液バルブ」「ガスバルブ」共に全開にします。

冷媒充填

エアコンの種類や配管距離によっては「真空引き」の後に追加分の「冷媒充填」をします。

「冷媒充填量」は「工事説明書」に則って、「配管の長さ」から計算します。

計算する「配管の長さ」は全て「液管の長さ」です。

工事の時は「配管長」は常に把握しながら作業します。

フロンガスボンベ

「フロンガス」と言うけれどボンベの中には「液」で入っています。

R410Aのような「混合ガス」は沸点の異なるフロンガスが混ざっている為「液」での充填管理が必要です。

新冷媒以降のボンベのほとんどは「サイフォン管」になっているのでそのままで液が出ます。

R22のボンベは「サイフォン管」になっていないので、上下逆さまにひっくり返すと「液」で充填できます。

ホースの「ムシ押し側」(曲がっている方)を、紙でカバーしてあるボンベ(紙のボンベ)に接続しにくいのでホースの向きを逆にして使用します。

紙でカバーしていないボンベ(溶接のボンベ)はそのままだと、ホースが接続できません。

別途「チャージ口」が必要です。

この「チャージ口」(写真ではピンクの子)は忘れ物 No.1なのです!

そもそも充填するときに持っていくのを忘れます。

そしてボンベを返還するときに付けたまま返します。

気をつけましょう!

ちなみに同じ10Kgボンベでも、空で「紙のボンベ」は約4Kg。「溶接のボンベ」は10Kgです。

冷媒充填時に圧力がバランスしたら

「冷媒充填」は「圧力差」を利用して行います。

フロンガスのボンベは、その温度の飽和圧力がかかっています。

エアコンの配管は真空引きをしているので、ボンベから圧力差でフロンガスが流れます。

ボンベの圧力と配管の圧力が同じになると、それ以上充填はできなくなります。

その時はエアコンを運転して「低圧側」から少しずつ充填します。

※必ず圧力を見ながら少しずつ充填します。一気に充填すると圧縮機が「液」を吸い込んで中の弁が破損します。

当たり前ですが、ボンベの圧力を配管の圧力より高くしてあげると封入できます。

ドライヤーがあると非常に便利です!

「追加充填量」はドライヤーでボンベを温めるとほぼ確実に充填できます。

溶接機であぶるのはボンベ屋さんに怒られるのでやめましょう!

まとめ

工事にせよ修理にせよ「真空引き」は時間がかかります。

いかに早く「真空引き」をスタートするかにかかります。

忘れがちな「時間軸」を考えた段取りが大切です!

「冷媒充填」もドライヤーを使えば、試運転を待たずに全て充填できます。

段取りよく仕事をして早く帰って犬と遊びましょう!

ありがとうございました。

PR