家のエアコンのにおいの原因と対策 エアコンクリーニングしたほうがいいの? 

こんにちは黒犬です。

エアコンの運転直後の「におい」を気にされる方は多いと思います。

ネットで調べると「知恵袋」的なサイトでは、空調屋からするとなかなか頓珍漢な返答も多く、

「エアコンクリーニング業者さん」のサイトはやたらカビの危険性を煽って「毎年クリーニングを!」と勧めています。(仕事なので)

エアコンのサービスマンが一番大変なのが「音」「におい」に関係するものです。

「音」と「におい」は気になりだすと敏感になりますし、人それぞれ不愉快なものが違うので測定値での結果報告もできません。

エアコン洗浄をするときも「完全ににおいは取れませんよ」と前もって了承してもらいます。

この記事では、空調屋の僕がエアコンの「におい」と「エアコンクリーニング」について思う事を書いていきます。

においの原因

エアコンのにおいの主な原因は「ほこり」「カビ」「エアコン内部」「部屋のにおい」にあります。

一つずつ解説します。

ほこり

エアコンは部屋の空気を吸い込んで、冷やし(温め)て、吹き出します。

吸い込み側にはホコリを取る「フィルター」がありますが全ては取りきれません。

エアコンを使っていくうちに空気が通る場所には必ずホコリがついていきます。

熱交換器や

熱交換器

ファンは特にホコリが付きやすいです。

ファン

フィルターが詰まってくると、エアコンと壁との隙間やパネルの小さな穴から空気をはじめるので、その部分にもホコリがついてきます。

キッチンが近いと、どうしても料理の油がフィルターやエアコン内部に付きます。換気扇を回しても、エアコンも部屋の空気を吸い込んでいます。

油がついているとホコリがひっつきやすくなります。

エアコンが吸い込んだ空気は溜まった「ホコリ」を通過します。その時にホコリに「におい」がついていきます。

カビ

エアコン本体のパネルや、熱交換器、ファンなどはそのままではカビは生えません。

ホコリや油がついて初めて「カビ」が生えます。(ファンなどは防カビの対策がとられてます)

梅雨時期など、湿度が上がるとエアコン内部についた「ホコリ」や「油分」にカビが生えやすくなります。

エアコン内部の部品

エアコンを運転すると、部屋の空気を吸い込んで吐き出し続けます。

特に熱交換器は銅管にアルミフィンが何枚も何枚も合体した構造で、油などのにおいの原因が染みつきやすくなります。

カビ臭いエアコンを洗浄した後、綺麗になったエアコンから新たに「焼肉」のにおいがしたりします。

フィルターのホコリを掃除機で取っても、フィルター自体ににおいが染みていることがあります。(特にタバコ)

お部屋のにおい

住んでいる本人は分からなくても、ペットや料理 化粧品や汗や皮脂のにおいなど他人の家や部屋のにおいは気になります。

どんな人の部屋でも生活している限り「におい」はあります。

カーテンや布団や服などの布製品はにおいがつきやすいです。

暖房の時は部屋が暖められて、冷房の時は布製品の湿気が抜けていってにおいがでます。

部屋の空気を吸い込むエアコン内部のホコリにも部屋のにおいが染み込んでいきます。

においの対策法

家庭で簡単にできる対処法です。

フィルターを洗剤で水洗いする

フィルターが臭い時や油っぽい時は洗剤を使って水洗いしてください。

洗剤をかけてしばらく置いてから、水で流せばOKです!

「自動フィルター掃除機能」がついているエアコンでも、時々フィルターを確認してくだい。

フィルターに油分がついていると「自動フィルター掃除機能」が働いても「ホコリ」が取りきれなくなります。

フィルターが汚れてたら洗剤を使って水洗いしてください。(フィルターは簡単に外れます)

キッチンが近いとどうしても油っぽくなります。

冷房始めのカビのにおい

冷房の最初の冷房は、梅雨時期にエアコンの汚れにカビが生えやすくなるのでカビ臭いことがあります。

少し前にネットで話題になった「冷房16℃を窓全開で一時間運転する」は、結構理にかなってます。

大抵は少し運転すると「におい」はなくなります。

それは、冷房をかけると室内機の熱交換器が結露して、その水で汚れが流されるからです。

16℃、窓を全開にしていると冷房は止まらずに回り続けます。換気にもなります。

気になる人は、冷房を使う直前に「温度設定を最低にして、窓を開けて、しばらく冷房で運転する」をしてみてください。

しっかり水(排水)が出ていることが大切です。

いつまでも「かび臭い」時はファンの汚れかもしれません吹き出し口を手で開いて覗いてみてください。

吹き出し口
ファン

黒いファンが見えると思います。

ファンが激しく汚れると風も出なくなります。

そこまで汚れていると、熱交換器も相当汚れているはずです。

「エアコンクリーニング」をお勧めします。

ちなみに、吹き出し口の黒い汚れは「かび」ではなく、ほとんどが埃の汚れです。

普段から換気する

においを予防するには普段から換気をするのが一番です!

ほとんどのエアコンは、部屋の空気を循環するだけで、空気の入れ替えはできません

エアコンをつけている時はどうしても、電気代や効率から部屋を締め切りがちです。

汚れた空気を循環することになるので、時々窓を開けて空気を入れ替えましょう。

特に冷房を使う前の梅雨時期は、エアコンの汚れにカビが生えやすくなるので、換気して湿気を抜いてあげることが大切になります。

内部クリーン

今のエアコンには「内部クリーン」という機能がついています。

内部クリーン

一定時間冷房運転した後に「送風」と「暖房」を繰り返して、冷房で濡れたエアコンの内部を乾燥する機能です。

フィルターの掃除機能ではありません
「内部クリーン」をONにしていると、冷房運転後にエアコン内部を乾燥させてカビが生えにくくしてくれます。各エアコンの説明書で確認してください。
 
「内部クリーン」運転中は部屋の温度や湿度が上がることがあるので、寝る前に冷房を止める時は注意が必要です。
「OFFタイマー」を使うと内部クリーンは働かないので、寝室のエアコンは「OFFタイマー」を設定しておくと快適に眠れます。

エアコンクリーニング

どうしても匂いが気になったり、ファンや熱交換器の汚れが激しい時はエアコンクリーニングをお勧めします。

「エアコン洗浄スプレー」は後の水漏れやエアコンの故障のリスクが高い割に、効果は小さいのでお勧めできません。

熱交換器のアルミフィンは曲がりやすく、ファンは羽が一枚でも割れるとアウトです。

どうしても「エアコン洗浄スプレー」を使いたい人は、水がバンバン出る夏に使ってください!
水が出ない時にスプレーすると、汚れが排水管なんかに詰まって冷房をかけた時に水がオーバーフローします。
必ず夏に行い、その後冷房をかけて汚れを流してください。
エアコンの吹き出し口に手をかざしてみて、吹き出し口からまんべんなく風が出ていない時(左右は出ているけど真ん中は出てない 等)や、強風にしても風が弱い、ホコリが飛んでくる時は、熱交換器やファンが汚れで詰まっているので「エアコンクリーニング」をした方が間違い無いです。
 
エアコンは、使う頻度や環境で汚れ方は全く違います。
しかし、ほとんどの家庭では毎年エアコンクリーニングは必要ありません。
 
エアコン効率が悪くなるぐらい、熱交換器やファンが汚れた時が「エアコンクリーニング」の時期です。
 

まとめ

エアコンのにおいは、ホコリや熱交換器などに染み付いた「部屋のにおい」です。

エアコンについた油や埃にカビが生えます。

しかし、黒く見えるのはほとんどがカビではありません(白く見えるホコリも濡れると黒になります)

過剰に心配する必要はありません。拭き取ってください。

冷房時は最初は匂いがあっても、しばらくすれば消えます。

においは一度気にすると敏感になってキリがありません。

まずは部屋の空気を入れ替えましょう!

いつまで経っても匂いが消えない、風が出にくいほど汚れている時は「エアコンクリーニング」しましょう。

油系のにおい、強いにおいは「エアコンクリーニング」でも完全には消えません。

部屋で「焼肉パーティー」はエアコンにもリスク大です。

冬に暖房を使いながら「焼肉パーティー」をすると、エアコン内部の埃に油が染みつきます。

栄養いっぱいのホコリに梅雨時期カビが生えます。洗浄してもにおいは消えません。

換気と「内部クリーン」を上手に使ってエアコンを快適に使いましょう!

ありがとうございました。