「エアコンの暖房」は他の暖房器具に比べて部屋が乾燥しやすい!
冬になるとこんな情報も聞いたことがあると思います。
夏には「冷房をかけると部屋の湿度が上がった!」とコールセンターにクレームを出してくるお客様も少なからずいます。
今回はそんなエアコンと湿度の関係のお話です。
お客様とのトラブル回避や、きちんと説明するための参考になると思います。
相対湿度
天気予報の湿度や、よくあるお部屋の湿度計の 湿度(%) は、相対湿度です。
割合「%」で表されます。
空気中に存在できる最大の水蒸気(飽和水蒸気)を100%とした場合の、水分の割合(%)です。
100%を超えると、水蒸気としては存在できずに液体の水になります。
そして温度によって飽和水蒸気の量(重さ)は変化します。
温度が上がれば、空気中に存在できる最大の水蒸気(飽和水蒸気)の量は大きくなります。
つまり部屋の水蒸気の量が同じでも、部屋の温度が上がれば相対湿度は下がります。
飽和水蒸気量(g/㎥)
10℃ ⇨ 9.4g
20℃ ⇨ 17.3g
30℃ ⇨ 30.3g
例
室温10℃ 湿度70% の時の水蒸気量 9.4×0.7=6.58 g
同じ水分量(6.58g)で室温が30℃になると?
6.58÷30.3×100=21.71%
室温10℃ 湿度70%の部屋を30℃まで温めると、湿度は約22%まで下がります。
暖房で乾燥するわけ
エアコンの構造上、暖房時に部屋の空気を乾燥させる機能なんてありません!
つまり「エアコンの暖房は他の暖房器具より乾燥する」というトリビアはガセになります。
「灯油」を使用する暖房器具は、灯油の燃焼時に水蒸気を生じますが、へのつっぱりにしかなりません。
単純に部屋の温度が上がるだけで相対湿度は下がります。
どんな暖房器具でもお部屋は乾燥するのです。
冷房で湿度は上がる???
冷房をかけると、お部屋の温度は下がり、ベタベタする嫌な湿気も取り除いてくれます。
しかし、先程の「相対湿度」を見ると
室温が下がれば下がるほど、相対湿度は高くなっていきます。
相対湿度が100%を超えると水分は気体の水蒸気では存在できなくなり液体の水になります。
エアコンの熱交換器で冷やされた空気の水蒸気は水になり、ドレンとして排出されます。
これがエアコンのドレンの仕組みです。
冷たい飲み物を入れたコップに水分が結露するのと同じ仕組みです。
結果、ドレンとして排出された分の水の量だけお部屋は乾燥します。
部屋に温度計・湿度計があれば、部屋の温度は下がっていってるけど、湿度は上がっていることに気付きます。
それを見たお客様が毎年コールセンターにクレームを出します。
コールセンターで「相対湿度」をうまく説明できなかったり、伝わらなかった時はサービスマンが伺うことになります。
部屋に対して能力の大きすぎるエアコンを設置した場合、吹き出し口から白い冷気が見えたり、先に冷えた壁が結露したりします。
絶対湿度 コロナ予防
割合(%)で表す相対湿度に対し、水分量(重さ)で表す絶対湿度というのがあります。
1㎥の空気に何gの水分がありますよ g/㎥ などで表されます。
絶対湿度は温度で変化しません。
人の体感湿度は、この絶対湿度の方が近いらしく最近ではインフルエンザ予防の指針にも用いれられています。
できれば7g/㎥以上、理想は11g/㎥以上と言われています。
コロナ予防にも大切な湿度は「絶対湿度」です。
絶対湿度を表示できる湿度計もあります。
湿度を上げるには
下がった湿度を上げるには加湿しないといけません。
ストーブなら上でお湯を沸かせておけばいいのですがエアコンならそうはいきません。
観葉植物を置いたり、濡らしたタオルをかけたりもいいのですが、手間なく必要な湿度を維には「加湿器」が一番です。
加湿器も安くかわいいものも多いのでウイルス対策にもぜひ欲しいところです。
加湿器で次亜塩素酸水を噴霧することはやめておいた方がいいです。
熱交換器の銅管が犯されてガス漏れの可能性があります。
それより体に悪いです。
まとめ
エアコンと湿度はとても深い関係にあります。
この記事で、お客様にうまく説明するヒントになれば幸いです。
ありがとうございました。